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付則21 トライアル基本仕様
3一般的なアイテム
3-1材質
フレーム、フロントフォーク、ハンドルバー、スイングアーム・ステアリングステムシャフト、ピボットシャフトにチタニウムを使用することは禁止される。
上記以外のチタニウム、軽合金の使用は認められる。
※
公認車両がこの条件に合致しない場合は、公認車両の状態を維持することを条件に、上記禁止部品の使用が許可される。
3-2フレームの定義
3-2-1
フレームとは、エンジンが取り付けられている部分を中心にステアリング取り付け部分とリアサスペンションの取り付け部分を含む構造全体をいう。
3-2-2
シートを取り付けるためのサブフレームは、フレーム本体に溶接されている場合はフレームと見なし、ボルトオン(着脱可能)のものはフレームと見なさない。
3-3スタート装置
スタート装置が義務づけられる。
3-4スプロケットガードおよびプロテクター
3-4-1
チェーンとスプロケットの間に身体の一部が誤って挟まれることのないように、フロントおよびリアスプロケットガードを取り付けなくてはならない。
3-4-2
リアスプロケットガードは、スプロケットとドライブチェーンの噛合部を完全に覆わなければならない。
3-4-3
リアスプロケットは穴のあいていないものを使用するか、穴をすべてふさぎ身体の一部が入り込まないようなリアスプロケットプロテクターを装着しなければならない。穴のあいていないリアスプロケットで表面に凹凸のあるものは、シールまたはテープ等を貼付し表面を平滑にしなければならない。
ただし穴のあいていないリアスプロケットで、手や指が容易に引っかからないものはそのまま使用できる。
3-4-4
ドライブスプロケット部にフロントスプロケットガードを装備しなければならない。
3-4-5
スプロケットガードの取り付け方法は、ボルトオンまたは溶接とし、安易に脱落しないよう確実に固定しなければならない。
3-4-6
フロントおよびリアスプロケットガードの材質は、アルミニウム、頑強な樹脂とする。
3-5エキゾーストパイプ、サイレンサー
3-5-1
エキゾーストパイプとサイレンサーは、音量規制に関する必要条件をすべて満たすものでなくてはならない。
3-5-2
サイレンサー後端の排気出口中心軸は、車輌の中心軸に対して左右方向で、水平路面に対して上下方向で、平行でなければならない(許容誤差は±15°とする)。
サイレンサーの後端部はライダーまたはアシスタントが誤って触れた場合に、危険な形状であってはならない。もし、サイレンサー後端のパイプが3mm以上突出している場合は、その後端部は180°の角度で曲げられるか、R形状に加工されていなければならない(図1参照)。
図1


どちらの形状の場合も、端部の厚さは最低3mm以上なければならない。
(公認車両がこの条件に合致していない場合は、公認車両の状態から仕様を変更しないことを条件に、公認車両のサイレンサーの使用が許可される。)
3-5-3
サイレンサーの後端は、リアタイヤの後端接線より後ろにあってはならない。
3-5-4
排気は、後方に向けて排出されなければならず、ほこりを巻き上げたり、タイヤやブレーキに悪影響を与えたり、他のライダーに不快な思いをさせたりするものであってはならない。
3-6ハンドルバー
3-6-1
ハンドルバーの幅は、600mm以上、850mm未満でなければならない。
3-6-2
ハンドルバーの先端が露出している場合は、固形物質を詰めるか、ゴムでカバーされていなければならない。
3-6-3
ハンドルをいっぱいにきった時にハンドルバー(レバー類含む)とボディフレームの間に最低30mm以上のすき間を設けなければならない。
3-6-4
ハンドルバークランプは、ハンドルバーが折れやすい部分を作らないために、慎重に丸みをつけて製作しなくてはならない。
3-6-5
軽合金製ハンドルバーの溶接による補修は禁止される。
3-6-6
ハンドルバーのクロスバーにはプロテクションパッドを装着していなければならない。クロスバーがない仕様のハンドルの場合は、ハンドルバー中間部にプロテクションパッドを装着しなけばならない。
3-6-7
ハンドルバーへのカーボン、ケブラーおよび複合素材の使用は禁止される。
3-6-8
ハンドプロテクションの装備も認められるが、耐破砕性の材料を使用すること。
3-7コントロールレバー
3-7-1
すべてのハンドルバー、レバー類(クラッチ、ブレーキ等)は、原則として端部がボール状(このボールの直径は最低16mm)でなくてはならない。このボールを平たくすることも認められるが、どのような場合も端部は丸みをおびさせていなくてはならない(この平たくした部分の厚みは最低14mmとする)。レバー端部は、レバーと一体構造に固定されていなくてはならない。
3-7-2
各コントロールレバー(ブレーキペダルおよびハンドレバー)はそれぞれ独立したピボットを持っており、そのレバー自体のピボットにマウントされていなくてはならない。
3-7-3
ブレーキペダルが、フットレストの軸にピボットされている場合、フットレストが曲がり、または変形した場合など、どのような場合でも作動できなくてはならない。
3-8スロットルコントロール
3-8-1
スロットルコントロールは、手を離した時に自動的に閉じるものでなくてはならない。
3-8-2
車両には最長で1mのストラップ(紐)でライダーと直結し、ライダーが車両から離れた際にエンジンを停止させるイグニッションキルスイッチを装備しなければならない。
3-9フットレスト
3-9-1
フットレストの先端には最低半径8mmの一体構造のプロテクションが設けられていなくてはならない。

3-9-2
フットレストは折りたたみ式でも良いが、この場合は自動的に元の位置に戻る仕組みになっていなくてはならない。
3-10ブレーキ
3-10-1
すべての車両は、最低2つの独立したブレーキ(各ホイールにひとつ)が装備されていなくてはならず、ホイールと同心でなくてはならない。
3-10-2
ブレーキディスクはラウンド形状のものを基本とする。ただし、ウェーブディスクでも円周方向の凹凸部の角部角度が鈍角になっており、ウェーブ形状それぞれの先端部で円周方向の長さが5mm以上確保され(下記参照)、ディスク両面の角部が面取り(指が引っかからないこと)された物は使用が許可される。
フルカバードされた外部プロテクション(フロント/リア)が装備された場合は、どのような形状のウェーブディスクも使用が許可される。
ウェーブディスク形状


3-10-3
ディスクへの開口部(抜き穴)の最大寸法は丸穴の場合は直径6mm以下、長穴の場合は穴の幅は(短径)6mm以下(穴端部は丸みがつけられていること)であること。開口部(抜き穴)の寸法はディスク摺動面だけでなくハブ部にも適用されるが、ハブ部についてはディスク外側にガード用の金属板をディスクと共締めして抜き穴を塞ぐことも認められる。ただし、フルカバード(フロントおよびリア)されたブレーキディスクにはどのようなものも使用が許可される。
3-10-4
ブレーキディスクには硬いプラスチック素材の外部プロテクションが装備されていなければならずフロントディスクはフルカバードタイプ、リアディスクは前半部1/4以上(リアフォークおよびブレーキキャリパーを含む)の面積がカバーされていること。カバーに穴をあける場合の最大寸法は直径10mmまたは同等の範囲とする。
3-11マッドガードおよびホイールプロテクション
3-11-1
すべての競技用車両にはマッドガードが装備されていなくてはならない。
3-11-2
マッドガードはタイヤの両側方に張り出していなくてはならない。
3-11-3
フロントマッドガードは、ホイールの周囲を最低100°にわたってカバーしていなくてはならない。マッドガードの前端とホイールの中心を結ぶ線と、ホイールの中心を通る水平線の作り出す角度は45°と60°の間でなくてはならない。マッドガードの後端とホイールの中心を結ぶ線と、ホイールの中心を通る水平線が作り出す角度は20°を超えてはならない(下記図参照)。

3-11-4
リアマッドガードは、リアホイールの中心を通って垂直に引かれた線とこの垂直線から25°の角度で後方に引かれた線が形成する円の一部を超えて後方に伸びていなくてはならない。
3-11-5
リアマッドガードはホイールの周囲の最低80°を覆っていなくてはならない。
3-11-6
キャストホイール、または溶接されたホイールが使用される場合には、頑丈なディスクでスポークを覆う形でホイールプロテクションが施されなくてはならない。
3-12ホイール
ホイール(リム、カラー、スポーク、ハブ含む)の交換・変更は認められる。
ただし、公認車両のホイール本体構造(例:スポーク、キャスト、モウルド、リベット等)の変更は禁止とする。※一般市販されているホイールとの交換も許可される。
3-13トライアルタイヤ
自由とするが、以下に準拠していること。
3-13-1
ホイールに正常に装着された状態でタイヤの全幅は、115mmを超えてはならない。
3-13-2
トレッドの深さ(A)はトレッド面から直角に測った場合、13mmを超えてはならない。同一円周のブロックはすべて同じ深さでなくてはならない。

3-13-3
ブロック間のトレッドの幅は、タイヤ幅方向(B)で9.5mm、円周方向(C)で13mmを超えてはならない。
3-13-4
ショルダーブロック(D)間のトレッド幅は、22mmを超えてはならない。
3-13-5
トレッド横幅(E)は、タイヤウォールに直角に測った場合、ブロックで中断されていない限り、タイヤ全幅におよんでいなければならない。
3-13-6
すべてのトレッドブロック(ショルダーブロックを除く)は、両側辺が平行で、タイヤの軸に対し直角そして平行な長方形でなければならない(タイヤは、下記の図に適合し、逆回転させても同じ外観でなければならない)。
3-13-7
通常の販売ルート、または小売店を通じて入手できるタイヤのみが使用を許可される(競技会で一般公道を走行する場合は一般公道用に許可されたタイヤ)。
3-13-8
タイヤは一般の購入者が入手できるマニファクチャラーの商品カタログ、またはタイヤ仕様リストに掲載されているものでなくてはならない。
3-13-9
これらのタイヤは、荷重、スピードコードに関してヨーロッパ・タイヤ・リム技術機構(ETRTO)の定める条件に適合し、最低45Mの使用等級のものでなければならない。(3-13-2 図参照)
3-14ナンバープレート
3-14-1
ナンバープレートは柔軟な材質でできていて、1枚を車両の前面に見やすいよう前向きに取りつけなくてはならない。
3-14-2
判読しづらい文字等は車検長の判断によりレース参加の許可を得ることができない。
3-14-3
全日本出場ライダーについてはプレート下部にライダーの氏名を記入するものとする。
3-14-4
ゼッケンに記載する氏名は必ずライダーの氏名とし愛称は認められない。
3-14-5
ナンバープレートの地色および数字(数字は英国式)の色は下記のとおりとする。
全日本レディース…ピンク地に赤文字
ジュニア…黒地に白文字
国内A級…黄地に黒文字
国際A級…赤地に白文字
国内B級…白地に黒文字
国際B級…緑地に白文字
国際A級スーパークラス…赤地に黄文字
※
観客とオフィシャルが明確に識別できるようにしなくてはならない(デザインされた地と書体の使用を認める)。
3-15ライト類、警告装置およびスピードメーター
灯火器のレンズの処理または取り外し、保安部品(バックミラー、補助ステップ、ウィンカー類)の取り外しが義務づけられる。
3-16追加装備
競技用車両には、フロントフォークカバーを含め追加の装備や外装品等を取り付けることは許可されるが、それらは素手で触っても危なくないように面取りやエッジ等の鋭角な部分がない処理がされていること。車検時に検査を行ない指摘がある場合は、改修指示に従わなければならない。